あれ?1年ってこんなに早かったっけ?

 


12月も半ばを過ぎ、気づけば今年がもう終わる、、、

 

昨日、『どうする家康』の最終回を見ました。

内容がどうのこうのよりも「もう1年たったのか、、、」という思いの方が強かったです。1月8日に初回放送を見たときは「なんだかOPが朝ドラみたいだな」とか「野村萬斎出てるわ」とか思っていたのに、気づけばほぼ1年経って最終回を迎えていました。

 

これまでも「もう1年経ったのかぁ」と思うことは多々あったけれど、26歳を迎えてこんなにも早く1年が経過したのを実感して慄然(りつぜん)としています。

今年は本当にあっという間でした。

例えるなら去年までの1年は3ヶ月くらいに感じていたけど今年の1年は1週間に思えるといった具合です。

 

今まで1年があっという間に過ぎるということに関して危機感や焦燥感を覚えるといったことは1度もなかったのですが、今年ははじめて危機感や焦燥感を覚えています。

このままいったらある日気づいたら死の床についているのではないかという不安が急に僕を襲ってきました。 
死ぬ寸前になって「そういえば、ついこの前まで1年がこんなにもあっという間に過ぎるということは人生もあっという間に過ぎ去るなと考えていたけど、本当にあっという間に過ぎ去ったな、、」とは思いたくないです。

でもこのままいくと、本当に死ぬ間際でこの記事を書いていることを思い出しそうな気がして、、、

 

どうすれば良いのだろうか、、、

 

まずは原因を考えてみましょう。

原因としては

  1. 個人的に日付を意識するようなニュースが少なかった。
    今年も重大な事件や訃報がありましたが、個人的に日付を意識するような印象的なニュースが少なかったです。
    2022年だと安倍元首相の訃報などセンセーショナルで日付を意識するようなニュースがありましたが、今年を振り返って個人的に日付を意識したニュースとしては2月21日の「シャンシャン、中国へ返還」と11月5日の「阪神、日本一」の2件でした。
    もちろん、ウクライナ紛争やパレスチナ紛争、ビッグモーターやジャニーズ等々の重大事案はたくさんありましたが、どれも現在進行形のニュースであり特定の日付を意識することはありませんでした。

  2. 個人的なニュースも少なかった。
    大衆のニュースではなく、個人的なニュースも今年は少なかったです。
    周りでは同僚や友達が結婚する等々ありましたが、個人的にはそんなライフステージの変化をもたらすような出来事もなく1年が過ぎていきました。

  3. 仕事に慣れた
    1年があっという間に過ぎ去ったひとつの要因に仕事に慣れたということが挙げられます。今年で入社して3年目を迎えて仕事のやり方も大分覚えてきて、1日が同じようなルーティンで過ぎ去っていくということが1年を短くすることに拍車をかけています。

  4. 自分に対する期待がなくなってきた
    学生時代は自分の無限の可能性にドキドキすることが多かったのですが、社会人として働き始めると定年退職間際の上司を見てある程度自分の到達点を設定してしまうため自分の可能性のために努力することが少なくなります。
    その結果、惰性で仕事をするようになりどんどん仕事がつまらなくなるし1年が早くなっているような気がします。

 

では、どうすれば良いでしょうか。

対策を考えましょう。

  1. 仕事に刺激を与える
    まず初めに仕事に刺激を与えるということを考えてみましょう。
    これまで僕は会社から与えられた目標をこなすということを行ってきました。
    でも、それだと主体的に考えて動くことをせず言われたことをするだけになるので仕事は回るもののどんどんつまらなくなります。
    そうならないためには主体的に動けるような目標を立てることが大切です。
    目標を立てる際には具体的に立てることが大切です。
    そのために将来どういった自分になりたいか具体的に妄想して、その理想に近づくために何が不足しているか、どうアプローチすれば理想に近づけるのかを具体的に妄想していきたいです。
  2. 日記を書く
    僕は過去に5年ほど日記を書いていた時がありました。
    その時の1年、1年はとても長く感じていました。
    特につらかった時の1年間は驚くほど長く感じました。
    そのため毎日の記録を残すことで1年を長くしたいと考えています。

  3. 新しいことを始める
    やはり1年を長くするためには新しいことを始めることが大切だと思います。
    興味関心があることを学んだり、資格取得のために勉強したりすれば1年は長くなると思います。

  4. 転職や独立をする
    今の仕事に慣れてくると仕事がスムーズに進む一方で、どんどん時の流れが速くなり、気づいたら定年退職ということもあるかなと感じます。
    そのため、これまで培った力を活かして新しい分野へ挑戦したり独立したりすることが大切だと思います。
    もともと入社した時から独立のことは考えていたので、今後は本格的に独立も視野に入れていきたいです。
  5. 楽な道とつらい道があったら辛い道を選ぶ
    これまでの経験上、楽しい時とつらい時とどちらが長かったか考えるとつらい時の方が長く感じていました。
    また最終的に良い思い出として残っているのも楽しかった時よりも乗り越えたつらかった日々の方が良い思い出として残っています。
    そのため、今後は楽な道とつらい道があったときはつらい道を選んでいきたいです。

これらをやっていかないと一瞬で死に際まで追いやられるという危機感を持って、2023年の残りと2024年を一生懸命過ごしていきたいです。

 

特に自分の可能性に胸を躍らせることができるように自分の人生を生きていきたいです。

就活の技術#5 ーES、面接対策等ー

前回までで自己分析と企業研究の方法について説明しました。

これで「彼を知り己を知れば百戦して殆(あや)うからず」の状態になっていると思います。

本来ならば、自己分析と企業研究の2つを完璧に行うことができていれば就活で苦労することはありません。自分を素直に出して内定を獲得することができるでしょう。

また、就活のインターンシップやESの書き方、GD、面接対策などの情報は本やネットに山ほど溢れています。そのため、僕が説明するよりもそちらを見た方が100倍ためになると思います。ですので就活のマインドセット、自己分析、企業分析の説明をしたら僕の説明は以上です。

 

終わり。

 

と言いたいところですが、実際就活はそう簡単にはいかないのではないでしょうか。

特にガクチカと言われる「学生時代に力をいれたこと」という項目で多くの就活生が頭を抱えることだと思います。大学時代に、バイト、サークル、ゼミ、それ以外にボランティアなど特筆すべきことではなくても何かに力を入れていたならばESや面接で何か書くとはあるでしょう。そういった方は、就活対策本などをよんで正攻法で就活をしましょう。

 

しかし、ノンゼミバイサー(ゼミもバイトもサークルもやってない)かつ学問にも力を入れていないような学生はガクチカに書くことがありません。

 

大学でリア充(古いか、、、)だった人たちは「そんな学生本当にいるの?」となることでしょう。いや、非リアだった人たちも「そこまではないんじゃないか」となるかもしれません。

 

確かに僕の大学生時代はノンゼミバイサーはほとんど見かけることもなく、いても学生起業でバリバリ活躍していたり、長期インターンや旅にでていたりと特別な学生が多く、彼らは就活で強者に回ることの方が多かった気がします。

しかし、コロナ禍においては本当に何もないノンゼミバイサーがいるのではないかと思います。コロナのためリモート授業で大学には行かずサークルには入らず友達もできず、実家住みだとバイトをする必要もなく、惰性で単位は取ったもののゼミは面倒くさいので入らず、挙句の果てに空いた時間はYouTubeやインスタなどのSNSを見ていただけの学生が、、、。

そうなると就活で自己分析をしても出てくるエピソードがありません。そうなればESや面接で書くこと、話すこともありません。

 

僕はこういった学生はあまり就職に向いていないのかなと思います。なぜなら仕事というものは何よりもチームワークが求められるものだからです。どんなにリモートワークが進んでも人と関わることがない仕事はありません。そのため、ノンゼミバイサーの学生は、見方を変えれば一人で生きていく才能があるともいえるので、起業などして自分の思い通りに動いていった方が良いように思います(起業しても人間関係からは逃れられないということは一旦置いておきます)。しかし、起業しようにも資本金がなければ起業することはできません。資本金がなくても起業できる場合もありますが、そういった仕事は弁護士や会計士といった士業であることが多く、そうでない場合は基本的にレッドオーシャンです。

そのため起業するにも働いて資本金を貯める必要があります。そして働くために就職する必要があります。

 

僕は、これから自分がもしそういった学生だったらどう行動して就活を行っていくかを説明します。これは正攻法では難しいのが現実です。そのため、一般的な就活モラルに反することもしなければなりません。当然、批判もあるというのは分かったうえで説明します。

 

目次

 

就活のポイントのおさらい

前置きが長くなりましたが、ここからESや面接をどのように乗り越えていくのか説明します。ただ、僕は基本的にESにも面接にも共通することを説明していきます。特化した対策が知りたいという人は冒頭で述べた通り、書籍やネットで各自調べてください。

 

まずは、就活を始める前にこれまで説明した就活のポイントをもう一度おさらいしましょう。

就活のポイント

  1. 就活では自らの労働力商品を販売する。
  2. 企業は労働力商品を購入するお客様である。
  3. 明日からでも働きたい企業にエントリーする

他にも様々な細かいポイントがありましたが、選考を受けるにあたって必要となるポイントは以上の3点です。

 

そして、労働力商品を構成する要素の主たるものがガクチカとなります。

では、その労働力商品に求められているものは何でしょうか。

労働力商品に求められているものを知るためには企業が知りたいことや質問の意図を知る必要があります。

 

企業が知りたいこと

企業が知りたいことは一つだけです。「なぜ弊社に入社したいのか?」のみです。

 

ただ、「なぜ」という問いは3つの問いを複合して問うてしまう問いだと僕は考えているので、これからこの問いを分解していきます。

僕は「なぜ」という問いは、契機(原因)能力目的を同時に聞いてしまう問いだと考えています。

例えば、太郎くんと付き合っている花子ちゃんに「なぜ太郎くんと付き合っているの?」と問えば、その答えには3つの可能性があります。

1つ目は、「お姉ちゃんが紹介してくれたから」や「パンをくわえて走っていたらぶつかったから」といった契機(原因)。基本的にこれは過去のことが答えになります。

2つ目は、「彼の顔がかっこよくて優しいから」や「私の料理をおいしいと言ってくれて、私を必要としてくれているから」といった能力。基本的にこれは現在のことが答えになります。

3つ目は「彼がお金持ちで何でも買ってくれるから」や「そろそろ結婚したいと思っていたから」といった目的。基本的にはこれは未来のことが答えになります。

 

これと同じように「なぜ弊社に入社したいのか?」を問う時は、

  1. 「弊社に入社したいと思ったきっかけ」
  2. 「弊社に入社できると思った能力(何ができるか)」
  3. 「弊社に入社する目的(何がしたいか)」

の3つを同時に問うてしまうことになるので、企業は学生が何を問われているか分かるようにESや面接等で志望動機やガクチカを問います

つまり基本的には志望動機でエントリーした契機(原因)、目的、ガクチカで能力を問うているのです

ESや面接で志望動機やガクチカを問われたときは、何を問われているのかよく理解した上で答えるようにしましょう。

 

企業の質問の意図

先ほど、企業はエントリーした契機(原因)、能力、目的を問うと説明しましたが、企業がこの質問をする意図は何なのでしょうか。

 

その意図は主に

志望動機「契機(原因)、目的」
やめないかどうか(長く続けてくれるか)、第一志望かどうかを知りたい

ガクチカ「能力」
人柄(一緒に働きたいか)、ストレス耐性、職務適正はあるかを知りたい

となります。

具体的には、志望動機でこの企業を選んだ軸や価値観(契機、目的)を知り、それを自社のカルチャーと当てはめることによって、内定を出したら入社してくれそうか、長く勤めてくれそうかを判断しています。

またガクチカコミュ力等(能力)を知って、それを社内で活躍している社員に当てはめて、一緒に働きたい人物か、今後活躍してくれそうかを判断しています。

企業は志望動機やガクチカを通して主にこういったことを知りたいと思っています。ほかにも細かく分ければ積極性・自主性や成長性を問うような質問もありますが、そこに関しては後で説明します。

 

ともかく、ESや面接においては何を聞かれていて、その質問の意図は何かを考えて答えることが大切です。

 

ガクチカを作るしかない

ESや面接の質問の基本について説明したので、いよいよ実践に入っていきます。

僕がノンゼミバイサーだった場合、ガクチカを作りに行くしかないと考えます。

ノンゼミバイサーについて調べると、やっていたことを正直に、かつプラスに捉え「パチンコや競馬のデータを分析していたのでデータ分析力があります。」や「YouTube を長時間見て、何が大衆に受け入れられるのか分析していました。」といった説明をせよというような回答があります。

しかし、僕が面接官ならこうした学生はまず落とします。応募者が1人しかいないならいざ知らず、常識的に考えてほかに真面目な学生がいるならそちらを採用します。

というか、1人しかいないとしてもまず落とします。

その理由は2つあります。

まず、深堀に耐えることができません。

パチンコの例なら「学生の本分は学業だと思うのですが、そちらはどうですか?」と問います。そこで「勉強はしませんでした。」と返答されれば、「好きなことには全力で取り組めるのかもしれないけど、仕事だとやりたくないことも当然あるのでそのストレスに耐えられるか不安。」となります。また、もし「勉強に関しても分析をして良い成績を取りました。」という返答が返ってきたならば、「エピソードの選択が下手。そちらを説明すべき。自己分析ができていないのかな。」と、どちらを回答しても良い印象を持たれない可能性があります。

YouTubeの例だと、「YouTubeを分析した結果にはどのようなものがありますか?」と問います。そこで「YouTubeを分析した結果、サムネで一番盛り上がる箇所を知らせたり、音楽だとイントロを短くしたりとタイパになるような工夫が有効であると分かりました。」と返答するとします。すると「では、それをご自身の経験の中で活用された事例を教えてください。」と問います。そこで「私もYouTubeの動画を作成して、登録者数5万人を達成しました。この力は御社のマーケティングでも活用できると思います。」となれば十分評価できるガクチカとなります。しかし、大抵は「人と話すときは結論ファーストで話すようにしています。」といった「それはYouTubeを分析しなくても誰もがやること。ただYouTube見てただけですよね。」といった感想になってしまいます。

次に採用できない理由としては、これはどちらにも共通していることですが、これらのエピソードからは人との関係性のなかでどのように振舞うかが見えてこないため、採用できないとなります。

何度も言いますが、仕事はチームで行います。つまりどんな職業であっても会社のなかで働く限りチームワークが求められます。そのため、企業はチームの中であなたがどのように振舞うのかを1番に知りたいと考えています。特にチーム内でトラブルが発生したときや人間関係においてトラブルが発生したときにどのようにそれらの課題を乗り越えたか知りたいと思っています。それが所謂、コミュニケーション能力ともいえます。

また、体育会系と呼ばれる人たちが就活に強いのも常にチームの中で揉まれ、常にどのように振舞うかを考えてきた人たちだからです。

よって、よほど特筆した能力がない場合はチーム内でどのように振舞ったかを説明することになります。

 

よってノンゼミバイサーの方々は、今からガクチカを作りに行く必要があります。

しかし、現在大学3年生でノンゼミバイサーだと就活を開始する時期になっています。今からバイトを始めたり、サークルには入ったり、ゼミに入ったりできるならベストですが、なかなかそれも厳しい時期になっています。

そのため、就活を行いながらチームに関わるガクチカを作っていく必要があります。

では、何をすれば良いか。それはインターンに参加することです。長期インターンがベストですが、2day以上のインターンでビジコン型、課題解決型、新規事業立案などを行うインターンに参加しましょう

そしてその中で、チームで何かをする体験をしてそれをガクチカに落とし込みましょう。

盛るしかない

そしてここからですが、このインターンをビジコンに参加したこととしてESに落とし込みましょう。

ビジコンとはビジネスプランコンテストのことなので、ビジネスプランを提案して競い合えばビジネスプランコンテストということになります。

まぁ、かなりグレーゾーンですが、ノンゼミバイサーであればこのぐらい盛らないと就活で勝負することができません。

「就活で絶対に嘘をついてはいけない」「面接官は嘘を見抜く」と説明しているサイトは数多あります。しかし、大抵の場合、この「就活で絶対に嘘をついてはいけない」とか「面接官は嘘を見抜く」説明しているサイトを運営しているのは就活エージェントです。

就活エージェントは採用活動を行う企業からお金を得て経済活動を行っています。よって、就活エージェントのお客様は就活生である学生ではなく、採用活動を行う企業です。そのため、就活生である学生が嘘をついたり話を盛ったりすると本来ならば当然不採用の学生を採用してしまうことになり、採用活動を行う企業に損害が出ることになるのです。お客様に損害を出させるわけにはいかないので、就活エージェントは「絶対に嘘をついてはいけない」と言います。これは、当たり前のことです。

ただ、この当たり前ゆえに「就活で嘘をいってはいけない」と言いながら、「第一志望だけは嘘を言っていい」とか言っている就活エージェントも存在します。確かに最終面接やそれに近い選考において「御社は第2志望です。」といったらほぼ100%落ちます。よって、こうした矛盾する発言が出てくることになるのです。

ちなみに、当たり前ですが僕も嘘をついて入社してくるような人とは一緒に仕事をしたくありません。できる限り優秀で真面目な方と一緒に仕事をしたいと考えています。

(ただし、嘘というのはバレて初めて嘘となります。つまり、バレない嘘をつく方ならば僕はその方を優秀な方だとも思っています。)

しかし、そうはいっても小さな嘘は誰しもがついています。

まず第一に、就活生を経て社会人になった人たちの大半が嘘をついて入社しています。入社した後に、同期に「何のために働いているの?」と聞いてみてください。すると大半の人が「お金」と答えます。でも、就活時には「社会のために貢献したい。」とか「世の中をもっと便利にしたい。」と言っていたわけです。
僕は本当に「社会のために貢献したい。」と心の底から思って入社したので、今でもこの質問に対してそのように答えるのですが、気持ち悪がられます。結局社会人は大抵、嘘をついて入社しています。

 

では、就活ではどんな嘘でもついていいのか。

 

それは違います。嘘をつくといっても程度があります。例えば、一般社会だと品質検査をしていないのにしたといった虚偽や産地を偽装したといった嘘は場合によって逮捕されます。

これと同じで就活生も学歴や保有資格、犯罪歴などを偽ると「重要な経歴の詐称」にあたり、内定取消や、入社後の懲戒処分の対象となる場合があります*1

 

ということは、世の中には嘘をついてはいけないことと、嘘をついても方便となるところがあるということになります。

 

嘘をついてはいけない範囲

皆さんはジョハリの窓を知っていますか?

これから嘘をついてはいけない範囲を説明するためにジョハリの窓を活用します。

ジョハリの窓とは自己分析を行う時に用いるツールの一つですが、僕は嘘をつく時の情報の振り分けツールとして使用していました。もちろん使い方を間違えていることは百も承知です。

ジョハリの窓は、他人も自分も知っている「開放の窓」と他人は知っていて自分は知らない「盲目の窓」と他人は知らないが自分は知っている「秘密の窓」と他人も自分も知らない「未知の窓」に分かれます。

この中で、絶対に嘘をついてはいけない領域は「開放での窓」であり、一方で嘘が方便となるのは「秘密の窓」の」領域のみです。

これから一つずつ説明していきます。

1つ目は「開放の窓」です。ここには自分も他人も知ることができる情報が入ります。例えば学歴、成績、保有資格、検索したら出てくる犯罪歴等はすべて「開放の窓」に属します。証明書を求めることができる項目やネットで検索したら出てくる項目はすべて「開放の窓」に属します。この範囲では絶対に嘘をついてはいけません。バレた場合は致命的に信用が失われるだけでなく、場合によっては懲戒処分もあり得ます。

 

2つ目は「未知の窓」です。ここには自分も他人も知ることができない情報が入ります。例えば、未来全般の話がこれにあたります。10年後にどうなっていたいかなどの話は、自分の本音を語ろうが、嘘を語ろうがそれが真実になるかどうかは実証のしようがありません。よって、ここは嘘のつきようがない範囲となります。

 

3つ目は「盲目の窓」です。ここには他人は知っていて自分は知らない情報が入ります。例としては、仕事の内容に関することが当てはまります。就活生のよくつく嘘の中で一番バレやすいのがここに関する嘘です。

例えば雑貨を取り扱う小売業に対して、「私は高校生の頃、御社の店舗に行き、その売場に感動したのでお客様が感動できる売り場を提案したいと考え御社を志望しています。」と述べたとします。そして面接官から「弊社の売場に改善点があるとすればどういった点ですか?」と質問されたとします。そこで「御社の売場は商品数が多すぎると感じるので、商品数を少なくして見やすく買いやすい売り場にすべきだと考えます。」と真っ当に答えたとします。すると面接官から「実は弊社でも同様に考え、商品数を減らしたことがあるのですがそのことはご存知ですか?」と問われました。「知りませんでした、、、。」とは言えないので、「はい存じ上げております。」と就活生は答えました。すると追い打ちをかけるように「では、それは何年から何年のことで、その時の売上がどうだったか教えてください。」と言われました。この時点で、もうどうしようもありません。「すみません。存じ上げませんでした、、、、。」と答えるしかなく、嘘がバレます。

相手の領域で嘘をつくことはとても危険なことです。先ほどの例だと企業研究が足りていないことがバレるばかりか、就活の軸にまで疑いをもたれる結果となってしまいます。よって嘘をつくのは最後の領域である「秘密の窓」のみとするようにして下さい。

 

4つ目が「秘密の窓」です。ここは自分は知っているが他人は知らない情報が入ります。そして、ここでの嘘のみが方便となります。ここには、第一志望、その企業を志望したきっかけ、エピソードトーク等が入ります。例えば、ハウスメーカーのA社とB社にエントリーしている太郎君が、「A社が第一志望です。」と言っているときにそれが嘘かどうかはどう見抜けばよいでしょうか。また、太郎君が「A社を志望したきっかけは実家がA社の建築した家で、家族の礎たる「家」の販売に携わりたいと思ったからです。」という志望動機を話した時、その話が嘘かどうかはどう見抜けばよいでしょうか。さらに、太郎君が「私はバイト時代に回転寿司店で働いており、そこで113人を束ねるバイトリーダーをしていました。その結果、マネジメント能力が身に着きました。私はこのマネジメント能力をもってたくさんの人たちが関わるハウスメーカーのA社で働きたいと考えています。」という話をした時にそれが嘘であるかはどう見抜けばよいでしょうか。

 

そんなの簡単じゃん。深堀をすればよい。

 

そう答えられる方が多いでしょう。今回の場合、特にバイト時代の話などは「1店舗でバイトを113人も雇っているところなんてホントに存在するの?どうやって回すの?人件費だけでもバカにならないでしょう。大体、この人手不足と言われている時代にそもそもそんなに応募があるの?あまり社会人を舐めない方がいいよ。盛るならせいぜい18人とかにしなきゃ。」と面接官の立場なら言いたくもなるでしょう。

すると太郎君は「えっと、、、本当のことを言ってはいるのですが、、、すみません。」と予想だにしていない面接官の反応に戸惑い、角が立たないように「すみません」と言ってしまいました。

すると面接官は心の中で「やっぱり嘘じゃないか。嘘をつくのが下手な奴だ。」と思いました。

 

ところが、一見嘘に見える太郎君のこの話は本当は事実なのかもしれません。

回転寿司大手のスシローのホームページには以下のような記述があります。

 

Q.1店舗あたりのスタッフ人数を教えてください。

お店によって異なりますが、1店舗あたり約80名~120名程度のスタッフが働いています。社員は2~3名ですので、大半がアルバイト・パートスタッフです。スシローは、アルバイト・パートスタッフの皆様に支えられて営業しております。*2

 

つまり太郎君がスタッフ数について本当のことを述べていた可能性は十分あるのです。

しかし、面接官の常識に当てはめた圧迫気味の深堀が太郎君に噓つきのレッテルを張ってしまいました。

 

僕はこういった例が多々あるように感じます。人は真実を述べる時、その真実に疑いの目を持たれることを想定していないことが多いのです。そのため、ひとたび疑いの目を向けられれば途端に狼狽してしまいます。

逆に、嘘つきの方が深堀に耐える準備は入念に行っています。そもそも深堀をされることを前提として嘘をつきます。そのため「焼き肉店で50名を束ねるアルバイトリーダーとして活躍していました。」と話し、面接官から50名の部分に疑問を持たれたときには瞬時に「そうですね。確かに一般的な感覚からすると多いと感じるかもしれません。例えば西松屋さんなどは1店舗あたり2~3名で回るように店舗オペレーションを設計しています。そのため1店舗当たりのスタッフ数は約4名程度です。しかし、スシローさんは約120名のスタッフいる店舗もあり、業態によって店舗運営に必要となる人員は様々です。」とスラスラ反論が出てくることでしょう。
(ちなみに西松屋の1店舗当たりの人員は、有価証券報告書の従業員数(パート・アルバイト)数を店舗数で割って導出しました。)

 

今回の例では、太郎君にとって1店舗に113人のスタッフがいたことは事実であり、それが太郎君にとっての一般的な常識でした。そのため、1店舗のスタッフ数が他の業界の店舗に比べて多いのか少ないのかなど考えたことがありませんでした。

そのため、そこに疑いの目が向けられるとは思ってもみなかった太郎君は途端に狼狽してしまったのです。そしてそれが嘘つきの挙動として捉えられてしまったのでした。

 

この話から学べる教訓は、話が嘘かどうかは、実際にその話が嘘かホントかではなく、深堀に耐えられるかどうかが決めるということが分かります

今回の太郎君の落ち度は深掘りに対する対策を一切行っていなかったことです。

では、深堀に耐えるための対策はどのように行ったらよいのでしょうか。

 

深堀に耐える

話が嘘かどうかは、実際にその話が嘘かホントかではなく、深堀に耐えられるかどうかが決めることを先ほど説明しました。

では、どのようにして深堀に耐えるか。

深堀に耐えるために行うことは主に2つあります。

まず、行うことは何をどう深掘りされるのかを事前に知っておくことです。
そして相手が何を考えているかを知ることです。

 

では、どうやって相手の考えていることを知れば良いのでしょうか。

それは面接のやり方に関する書籍を読んでください。

 

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僕がおススメしたいのは、細井智彦さんの『本当に「使える人材」を見抜く採用面接』です。この本には、面接官の質問の種類、質問の意図、深堀の仕方、深堀に対するNG回答などが分かりやすく書かれています。このことは面接だけでなくESにも活かすことができます。

また、この本を読むことで面接官には面接官の悩みがあることが理解できて面接に対する緊張感が薄くなります。面接官も同じ人間であることが理解できるようになります。

ともかく、僕は常に相手の立場に立って物事を考えることが重要だと考えています。

企業に入社すれば、お客様の立場に立って考えることがとても重要です。採用面接の段階から相手の立場に立って物事を考える訓練を行いましょう。

 

次に、2段階目以降の深堀をされたときの回答はなるべく「秘密の窓」で行うということです。1段階目の深堀は、深堀の種類を知ることやここは質問して気安いであろう箇所(例えば具体的な数値に関することなどが挙げられます。「その数値を目標とした理由は?」「数値の検証方法は?」「その数値結果は今までの結果と比較して良い結果と言えるの?」などが挙げられます。)をあらかじめ考えておくことである程度までは対策ができます。しかし、2段階目以降の深堀に関しては企業によって面接官によってどこまで深堀するか異なるため対策が困難です。そこで2段階目以降の深堀に関しては「秘密の窓」の領域の情報で答えられるようにしましょう。

例えば、先ほどの例で西松屋とスシローの1店舗当たりの従業員数の話をしましたが、もしその後に面接官から「どうやって1店舗当たりの従業員数を知ったの?」と問われたら、正直に「ネットで調べました。」と答えるのではなく「2つの店舗でアルバイトをしている別々の友人たちから偶然聞きました。」と答えるようにしましょう。

もし「ネットで調べました。」と回答をすれば、それは真実かもしれませんがあきらかに準備をしてきた感が強く出ます。あくまで友人から偶然聞いたという設定にして自己の領域で完結させましょう。ただし、その後に面接官がしつこく「その友人の言っていることは信用して良いの?」と意地悪く深掘りされた場合は「それは私も考えて、ネットで確認しました。」と述べましょう。

ここで言いたいことは、できる限り「秘密の窓」で勝負することが肝心だということです。

以上が深堀に耐える対策です。

 

ただし、深堀に耐えるためには訓練が必要となることも多いため、友人や就職支援センター、誰もいなければ両親でもいいので模擬面接を受けるようにして下さい。

 

それでも耐えられなかったときの対策

先ほど、深堀に対する対策を説明しました。しかし、どれだけ対策をしても答えられないときはあります。例えば、予想していなかった箇所を深掘りされたり、面接官から反論されたりした場合です。

 

特に面接官から質問ではなく反論された場合は、その反論を受けるしかありません。

 

その時、キーワードとなるのが「謙虚」と「素直」です。

誤って「盲目の窓」の領域へ立ち入ってしまった場合や、勝負をかけて「盲目の窓」の領域の話をした場合(例えば最終面接で役員の実績を調べ、それについて語った場合)に面接官から「間違っている」と反論される場合があります。

その時は言い訳をすることなく、謙虚かつ素直に「勉強不足で申し訳ございませんでした。これからさらに勉強してまいります。」や「私の誤りに気付くことができました。ご教授いただきありがとうございます。」と述べましょう。

また、予想外のところを深掘りされて答えられない時も「すみません。現在はお答えすることができません。申し訳ございません。」と答えましょう。ただし、これは最終手段です。この回答をすれば、この面接は乗り切れるかもしれませんが、次回の面接で必ず同様の質問がなされると心得ておきましょう。このようなことにならないためにも、どんな質問が来ても耐えられるように対策をしましょう。

 

最後に、面接官は時に深堀をしつこく行ったり、意地悪な質問をおこなったりすることがあります。その大半が、就活生が謙虚に見えないときに行われていると思います。

反対に自信がなさそうに見えたり、何を言っているか分からない時にも面接官は深掘りを行いますが、意地の悪い質問をすることはありません。純粋な質問として聞いています。

面接で意地の悪い質問を何度かされている場合は、自分が謙虚かどうか振り返ってみましょう。

謙虚になる方法としては、自己のアピールよりも相手の面接官と良好な関係を築くことにフォーカスすると自然と謙虚になれます。例えば、自分の実績を意気揚々と自慢げに語ることは自己アピールとしては良いですが、面接の場ではあくまでも対話の場として実績をひけらかすことなく納得してもらえるように伝えることにフォーカスすべきです。これを心がけていれば、謙虚になれます。

 

何度も言いますが、就活は労働力商品の売買契約を結ぶ交渉の場です。お客様(企業)は商品の内訳や効能に疑問があれば当然質問をしてきます。また、就活生はセールスマンとして、お客様には謙虚にそして誠実に対応しなければなりません。

契約交渉はWin-Winでなければ意味がありません。どちらかがWin-Loseになってはいけないのです。よって交渉であればいつでもNo-Deal(取引しない、交渉決裂)を覚悟すべきです。こちらが相手の対応に不満を持ちNo-Dealを決断することもありますし、相手がNo-Dealを決断することもあります。

私の就活法はすべてこの原理原則にもとづいて考えています。

このことは就活中、いや働き始めてからも忘れてはいけません。

 

これを読んでいる皆様の就活がより良いものとなり、就職後も活躍されることを心の底から願っています。

 

では。

 

 

 

*1:

労働問題.com, 「経歴詐称でいかなる懲戒処分ができるか?」,
https://www.roudoumondai.com/qa/discipline/job-fraud.html,(2023年6月30日)

*2:スシロー, 「スシローのバイトQ&A (仕事)」,
https://akindo-sushiro-job.net/info/faq/faq13.html,(2023年6月30日)

就活の技術#4 ー企業研究の方法ー

前回は自己分析の方法を説明しました。

今回は彼を知ること。つまり企業研究について説明します。

 

目次

 

業界について知る

企業研究においてまず行うことは、業界研究です。

前回の自己分析において第一志望の業界や職種は定まっているはずなので、それを基に業界研究を行います。職種のみが定まっている場合は、職種が活かせる業界を探していきます。

業界研究の第一歩は『業界地図』に目を通すことです。

業界地図は東洋経済新報社から発売されているものと、日本経済新聞社から発売されているものが有名です。どちらを選んでも内容に大差はないので、どちらを選んでも問題ありません。個人的には業界何位なのかがわかりやすかったので、東洋経済新報社の『「会社四季報」業界地図』を使用していました。

 

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業界地図を使用して行うことは、自己分析とマッチする業界を第5志望業界まで導き出すことです。価値観や能力がマッチしそうな業界を5業界ほどピックアップしてください。

 

えっ!
自己分析でゆるぎない第一志望業界を見つけたからそこだけ見たらいいんじゃないの?

 

気持ちは分かります。しかし、この後説明するエントリー企業数の目安のためにも5業界ぐらいが平均して必要になると考えています。

エントリー企業数の目安

どんなに第1志望であったとしても、落ちる時は落ちます。こちらがどれだけ熱い思いで自らの労働力商品を営業したとしてもお客様である企業が「買う」と言わなければ、労働契約は成立しません。

そのため、僕たちはリスクヘッジをしなければなりません。つまり複数企業にエントリーすることになります。では、どれくらいの数の企業にエントリーすればよいか。それは自己の通過率を設定し、採用までのフェーズ数を設定することによって導出できます。例えば、各フェーズの通過率を1/2だとしましょう。そしてフェーズをES選考、GD、1次面接、2次面接、最終面接の5フェーズだとします。すると、逆算して考えると最終選考で2社うけて1社内定が出ることになります。また最終選考へ行くためには4社必要だということになり、これを繰り返すとES選考を通過するために32社エントリーすることになります。

僕はこれが自己分析をしっかり行った人がエントリーする妥当なエントリー数だと考えています。

逆に全く自己分析をしていないなら、通過率を1/3に絞ってエントリー数を手あたり次第に243社ほど提出してみてください。

僕の知り合いに243社とは言わないまでも150社手あたり次第にエントリーした強者がいます。その方の大学は世間的に見て有名とは言えない大学でしたが、その方は最終的に国立の研究法人に総合職として就職していきました。その大学からその法人へ就職したのはその方が初めてだそうです。
その方いわく、150社も受けるとSPIで見たことない問題はなくなるそうです。

僕はこの方の経験から、就活には大学は関係ないということ。そして、圧倒的な行動力はすべてを凌駕することを学びました

ただ、これだけの企業にエントリーしてそのすべてを受けるというのはそれ自体が才能なので真似することはあまりお勧めしません。

よって、自己分析をしてそこから業界を絞り32社程度エントリーするのが最適だと考えます。

そして32社ほどエントリーしようとすれば、1業界のみで32社ほどエントリーするのは厳しいと思います。大企業と中小企業をあわせても32社を1業界の中から探すのは難しいと思いますので、自らのやりたいことや得意なことに関連する2~5業界も見て32社ほどエントリー企業を決めてください。

ここでエントリー数に関する注意点があります。まず、32社というのは3月1日の就活解禁日に内定を1社も持っていない学生の目安です。例えば、早期選考を経て第一志望ではない業界から内定を持っているならば、第一志望のみに絞って就活を行ってください。
次にエントリー数はフェーズごとに異なります。例えば、就活の選考期間は企業によって異なるため、6社エントリーして2次選考に4社残ったとします。その場合は、追加でエントリーする必要はありません。逆に32社エントリーしても1次選考で3社しか残らなかったとしたら、エントリー企業を追加する必要があります。このようにフェーズごとでエントリー数を決めてください。

大企業は同じ時期に選考を行う場合が多いためエントリー時期を逃すとエントリーすることができません。そうしたことが起きないようにするためにも32社というエントリー数を一つの目安として目指してみてください。

ここまででエントリー数の目安と注意点を説明してきましたが、エントリー企業を決めるのにはコツがあります。

エントリー企業を決めるコツですが好きなことよりも得意なことを優先して業界選びや企業選びを進めてください。

例えば、料理が大好きで昔から文章を書くことが得意であるならば、第一志望は料理雑誌を出版している出版社ということになるかと思います。しかし、こうしたジャンルを行っている企業は多くないので、他業界もエントリーしていかなければなりません。その時、料理が大好きだから飲食業界の企業にエントリーするよりも前に、書くことが求められる業界、ライターとして活躍できる業界(新聞業界等)の企業をエントリーしてください。

というのも好きなこととというのは年齢によって移り変わっていくものです。しかし、得意なことというのは年齢によってあまり変化しません。また、得意なことを続けていくと嫌いであったことも好きになることがあります。僕の場合、もともと実家が飲食店だったこともあり幼少期から接客をしていたので接客は得意でしたが好きではありませんでした。しかし、小売業に入社して接客をすると接客で上司から褒められることが何度かありました。するとあれだけ好きではなかった接客が自分の中で好きになっていくということがありました。ということで、得意なことを中心にしてエントリー企業を選んでください。

企業について知る

業界を決めてエントリーする企業を決めたら次はいよいよ企業研究です。

まずは企業の採用ホームページを見てビジネスモデルを理解しましょう。

ビジネスモデルというのはその会社が何で利益を上げているかということです。

 

次にエントリー企業が上場企業であるならば、EDINETを使って有価証券報告書を見てみましょう。有価証券報告書の【従業員の状況】には平均勤続年数や年間平均給与が書かれています。

また、【事業の状況】には理念やビジョン、事業リスク等が書かれています。

また、余裕があれば、損益計算書には売上原価や販売費及び一般管理費(営業の人件費や広告費等)や営業利益、純利益が載っているので、競合他社と比較するのが良いです。ここから企業が何にどれだけお金を使っていて、どれだけの利益があるのかわかります。

さらに余裕があれば貸借対照表も見てその企業の財務状況を見ていくこともできますが、ここは説明しだすときりがないので割愛します。

ただ一つ財務状況に関する注意点としては、四季報などで「疑義注記」や「重要事象」がついている、または証券会社が公表している継続企業注記銘柄に載っている企業は避けることが無難です。また有価証券報告書でも【注記事項】の中で(継続企業の前提に関する事項)という形で経営継続の不透明さが書かれている場合があるので確認しておきましょう。

 

disclosure2.edinet-fsa.go.jp

 

ホームページやEDINETで企業のことを知ったら、次は『就職四季報』で企業のことを知りましょう。『就職四季報』には選考フローや採用実績校、さらには初任給やボーナスまで記載されている場合が多いので第一志望業界や第一志望企業について調べましょう。

 

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企業の全体について知ることができたら、次は企業のネガティブチェックを行いましょう。

企業の口コミサイト(例えばOpenWork)などで、退職理由を見てみましょう。

退職理由の多くが「今後の自分への成長が見込めない」「この企業でしか活きない能力しか身に着かない」みたいな理由が多い場合は特に問題のない良い企業が多いです

一方で「残業が多い」「賃金が低い」「転勤が多い」などが多く共通してみられる問題の場合は、その問題が自分にも降りかかる可能性があります。

入社後にその問題が自らに降りかかったときに耐えられるかどうかよく考えましょう。

ただ、残業が多いとか上司が厳しいとかは配属先によっても異なる場合があるので、すべてを鵜呑みにするのは危険です。あくまで多く共通している問題かどうかを考えましょう。

職種について知る

業界、企業の研究が終わったら、最後は職種の研究をしましょう。

職種の研究のために企業の採用ホームページを見てみましょう。

すると、職種紹介や先輩紹介といった人物にフォーカスを当てたページがあるかと思います。次にインタビューであるならば、その中で述べられている「やりがいを感じたこと」「仕事で大変なこと」をピックアップしましょう。また、1日や1週間のスケジュールが載っているならば、共通して行われている事象を取り出しましょう。

 

そして取り出したならば、そこからどのような困難やトラブルがあるかを考えましょう。

例えば、とある企業のとある営業職のインタビュー記事の「やりがいについて」の項目に専門家との意見交流や関連企業との調整によって新たな分野を開拓したこととあれば、「専門家との意見交流を行うために専門的な知識を身に着ける必要があっただろうなぁ」とか「関連企業との調整のためには相手の利益も考えたうえで分かりやすく話す必要があっただろうなぁ」などと大変だったであろうことがいくつか出てきます。

また、1週間のスケジュールの中で納期の打ち合わせや進捗状況の管理などが多数あれば、こうした能力がこの企業のこの職種には求められているのだということが分かります。

 

このように一つのページから、その職種であれば発生するであろう困難やトラブル、大変であろうこと、工夫しなければならなそうなことをなるべくたくさん見つけてください。最終的にこの困難さや大変さに似たエピソードを自らのエピソードの中から見つけ出しガクチカとして生成していくことになります

 

以上が企業研究のやり方です。これで彼を知り、己を知ることができました

後は本番に向かうだけです。

 

次回はいよいよES、面接の実践編です。

 

ではまた。

 

 

 

就活の技術#3 ー自己分析の方法ー

前回は就活とは労働力商品の契約交渉であり、それ故に対策が可能であることを書きました。

今回は対策の第一歩である自己分析について説明したいと思います。

 

目次

 

自己分析を行う理由

就活と言えば自己分析というほどに有名な自己分析ですが、行う理由は何なのでしょうか。結論から言えば、自分のことを正しく理解するために行います。

 

いや、そんなの当り前じゃない、、、

 

そう言いたくなる気持ちは分かります。

しかし、このことをよく理解しておかないと、
「自分のことは自分がよく分かっているから自己分析なんてやらなくていいよね。」とか「自己分析をちょっとやったけど、自分が想像していた結果と同じでやった価値があるのか分からなかった。」といった結果になってしまいます。

まず、自己分析において理解しておかなければならないことは自分が一番自分のことを分かっていないということ。そして自分は平気で自分に嘘をつくということです。

「いや、自分ことはよく分かってるよ。」

 

そういう方は、自分の顔を触って自分の顔を正しく描くことができるかやってみてください。実際やってみるとかなり現実の顔とはかけはなれていませんか?

描かなくても想像だけでもいいですが、想像した顔と現実の顔も結構違うと思います。僕の場合は「あれこんなところにシミあったっけ?」といったことが発生しました。

では、自分の顔を正しく認識するにはどうすれば良いでしょうか。

答えは簡単です。鏡を使えばよいのです。

僕たちが顔を認識するためには鏡を使用します。鏡を通して僕たちは自分の顔を想像するよりも正しく認識することができます。

ところが困ったことに鏡を使用してもそこに映った顔は現実の顔とは異なります。鏡を使用しても正しい顔を認識することはできないのです。それは鏡が左右反転に映してしまうことから発生します。スマホで撮った写真の顔と鏡に映る顔が異なっていると感じる人は多いのではないでしょうか。

結果、正しい顔を認識するためにはスマホのカメラアプリなどを使用して認識する必要があります。

 

自己分析もこれと同じです。自己分析をせずに想像だけで自分を理解すればそれは実際の自分とはかけ離れます。また、深く考察せず浅く自己分析を行う(例えば性格診断だけ行って自己分析終了)だけだとこれもまた実際の自分とかけ離れます。

 

自己分析の取り組み方

自己分析を行うには自分の顔を正しく認識するためにスマホのカメラアプリを活用するように自己分析ツールを使用するのがおススメです。

 

数多ある自己分析ツールの中から実際に僕が使用したものを紹介します。

 

それは、SHOWROOM社長の前田裕二さんの『メモの魔力』です。

 


 

『メモの魔力』はメモの取り方について書かれた本ですが、同時に自己分析の本でもあります。この本の巻末にある「自分を知るための【自己分析1000問】」は本当に役に立ちました。この本に書かれている「抽象化」や「転用」を用いて自己をクリティカルに分析することで実際の自分を正しく認識することができます。

 

実際やってみると恐ろしく時間がかかります。僕は10問取り組むのに平均して2時間程度かかっていました。結局、僕は「夢についての100問」と「性格についての100問①」を大学生の項目まで行ったところでやめました。

これは途中で挫折したのではなく、ここまでやったところで自分の目指す方向性が明確に定まったことと、この方向性で社会人5年目までは後悔することはないという絶対的な自信が得られたからです。

おそらく1000問完答することができれば、人生の方向性が明確に定まると思います。
僕は5年後くらいまで明確に定まれば良いと考えていたので全部で150問くらい回答したところで終了しました。

恐ろしく時間がかかるので大学生の皆さんは夏休みなどの長期の休みに10問ずつ20日間といったように計画的に行うと良いでしょう。また、社会人になっても自己分析は大切だと思いますので社会人になってもやることをおススメします。僕は1000問の中から気になった質問に今でもチョコチョコ回答しています。

 

自分は自分に嘘をつく

自己分析をするにあたって理解することとして、自分が一番自分のことを分かっていないということと自分は平気で自分に嘘をつくということを挙げました。

自己分析を行い正しく自分を認識できると、就活において絶対に避けなけばならない自分が自分に嘘をつくという行為を避けることができます。

 

就活において最も自分が自分に対して嘘をつくときは、一番初めに内定を得たときです

内定を得たのが第一志望業界、企業なら全く問題ないのです。

しかし、腕試しや面接対策という理由(これが倫理的にどうかはいったん置いておきます。)で受けた志望業界でもなければ興味もない企業からの内定を得たときに入社を決意してしまうのは問題です。

特に全く興味、関心のない中小企業やベンチャー企業から内定を得て入社を決意するのは大変危険です。大企業の場合は、人材育成制度が整っていて研修などの機会が多いので興味、関心がなくても入社後に興味、関心を持てる可能性がないわけではありません。しかし、中小企業やベンチャー企業は会社によっては即戦力としての働きを求められることがあります。この時、興味、関心がある業界、職種なら自力で学習して対応できる可能性がありますが、興味関心がなければ仕事についていくことは難しいでしょう。

全く興味がない会社から内定を受けて入社して、興味がないことから会社を辞めて、また内定を得るために就職することほど愚かなことはありません。

というわけで内定を得たらどこでも就職するということは絶対にやめて下さい。

 

ところが僕がこれだけ口を酸っぱくして「一番初めに内定をくれた企業だからという理由で入社を決意するのはやめて下さい」と言っても入社する人は入社します。

僕の知り合いにもメーカーの営業職を目指していたのに、なぜか文系システムエンジニアとしてITベンチャー企業に入社して3か月ともたずに退職した人がいます。

彼はメーカーの面接を受ける前に面接練習として受けたITベンチャーから1番最初に内定を得て入社を決意し、そこで就活を終えました。

僕が彼に「メーカーが第一志望だったのに就活をやめるの?」と聞くと、
彼は「卒論に集中したい。」「IT企業は初任給が良い。」「選考を受けている間にこの企業の印象が良くなった。」と答えました。

 

彼がどれほど自己分析をしていたのか僕は良く知りません。
そのため、彼がメーカを志望していたことが彼が心から望んていたことなのか僕は知りません。

ただ、彼がIT企業に向いていないだろうということは分かりました。

それは練習として受けた企業に入社をしたことと、彼がIT企業を選んだ理由の中に入社後に自分がどのように活躍したいか述べられていなかったからです。

彼が入社の理由として挙げられていたのは「卒論」と「初任給」と「企業の印象が良さそう」という理由でした。もっともらしい理由ですが、卒論への悩みは卒論を書いて卒業しないと社会人にはなれないため、社会人1年目の4月には当然解消されているはずです。また、初任給も社会人1年目の4月は嬉しくても6月にはワクワク感もなくなるでしょう。そうなると入社3か月後に働くモチベーションはどこにあるでしょうか。

さらに、人材不足の企業は自社の印象を少しでも上げようと努力するものです。ですから、印象が良いといって入社しても自分の印象と職場の実態がかけ離れていることは多々あります。例えば「入社からすぐに活躍できます。」といった企業に入社したら実態は誰にも頼ることができず自力で仕事を学ばなければならない環境であったとかそういった具合です。そうした状況の中でどうして働くモチベーションを維持できるでしょうか。できるはずがありません。

よって、1番初めに内定を獲得したからという理由のみで入社を決意することはやめて下さい。

自分の心が本当に望んでいる業界、職種を選ぶようにして下さい。

 

自己分析で明らかにすること

『メモの魔力』「自分を知るための【自己分析1000問】」にある程度取り組んだら、以下の5つの事を他者に説明できるようにして下さい。

  1. 自分が行きたい業界・やりたい職種
  2. 自分が持っている職場で活きる能力
    ⇒ここはESで活用することになる
  3. 能力が活きる業界・職種は社会から需要があるか、未来があるか
  4. 社会人としてのプライベート(余暇)の過ごし方
  5. 自分の再生産費(最低限の生活費)

これから1つずつ詳しく説明していきます。

自分が行きたい業界・やりたい職種

まず、自分が行きたい業界・やりたい職種を明らかにします。これは幼少期から大学生までに憧れていた業界・職業を明らかにしたうえで共通している事柄、または複数回出てきたワードが関連する業界・職種を行きたい業界・職種とすると良いでしょう。例えば、「料理」という事柄、またはワードがこれまでの人生の様々な場面で出てくるならば、ストレートに料理人を目指しても良いですし、作ることにはさほど興味がないならばグルメサイトを運営しているような企業を目指しても良いでしょう。

ここで重要なことは1つの業界・職種に絞ることなく、自分の人生の中で共通している事柄、または複数回出てくるワードからとにかく沢山のやりたい業界・職種を見つけてください。

自分が持っている職場で活きる能力

つぎに、自分が持っている職場で活きる能力を明らかにします。ここはこの能力をESなどで説明して面接官、企業を説得する必要があり、またこの能力売って給料を得ることになるなど、自らの労働力商品のコアとなる部分なので特に細かく分析します

職場で活きる能力とは、簡単に言うと得意なことです。例えば、料理が得意ならばそれが得意なこととなります。また、職種と直結しなくても人の話を聞くことが得意だったり、トラブルを解決することが得意だったり、長時間集中して文章を書くことだったりすることも得意なこととなります。

ここで得意なことを見つけるコツが2つあります。
1つ目は10人くらいの集団の中で自分が1番できると思えることを見つけることです。例えば、大学で4年間ずっと自炊を続けている人はおそらく10人に1人もいないでしょう。少なくとも僕の周りはそうでした。よって、4年間自炊を続けている人は料理をつくるということを得意なこととして考えて良いです。
2つ目は長時間行っても疲れなかったことを分析することです。例えば、論文やレポートを書くために2日連続で徹夜をして文章を書くことができるならば、文章を書くという点においては得意なことであると言ってよいでしょう。

このようにして、自分が得意なこと(能力)を見つけて下さい。

そして、能力が明らかになったら、そこから自分に向いている職種を考えます。例えば、話すことが得意で相手を納得させることが得意であるならば「営業」が向いていると考えることができます。また、書くことが得意なら「ライター」、料理が得意なら「料理人」として働いていくことができるかもしれません。得意なことを活かせる職種を考えて、まずは職種を確定させてください。「ライター」や「料理人」とかの細かい職種でなくても「総合職」や「事務職」といった大雑把なくくりでも良いのでまずは職種を確定させることに集中します。

そしてその後、それらの職種が活かせる業界を大雑把で良いので分析します。

これらのことは企業分析において活きてくることになります。

社会から需要があるか、未来があるか

自分の行きたい業界、職種、自分の能力が分かったら、その能力が活きる業界、職種は社会から需要があるか、未来があるかを考えてみてください。

例えば、江戸時代に実在した大井川の川越人足(川を渡りたい人を肩車するなどして対岸へ渡す人)に憧れて、また水泳部で体力があるという理由でこの仕事を志したとしてもこの仕事のみで生活を成り立たせるのは難しいでしょう。なぜなら現代では大井川に橋が架かっていて川越人足の需要はほとんどないからです。

www.city.shimada.shizuoka.jp

このように自分の行きたい業界、職種があって、そこに適合する能力があっても需要や未来がなければ生活をしていくことが難しくなります。そのため、業界、職種に需要があるか、未来があるか考えましょう。

ただし、業界が縮小傾向にあるからといってその業界を忌避してしまうのは少し考えてください。例えば、日本で子ども関連の仕事をしようとすれば、少子化の影響で市場は縮小傾向にあると言えます。しかし、どれだけ少子化が進んだとしても子どもが全くいなくなることはないでしょう。そうであるならば、逆に新規参入のないブルーオーシャンになる可能性もあります。そして、自分の能力を活かして縮小傾向にある業界のシェアを奪うことができるかもしれません。

 

以上が自己分析で明らかにすることの前半部分となります。

この前半部分は、面接等において他者とも共有する必要があるため人に説明できるレベルまで分析を進めてください。そして下図の重なりあう業界、職業を自らの第一志望業界、職種として下さい。

 

ここからは後半の2点について詳しく説明していきます。

後半は自分が大切にすることと向き合うことが重要となってきます。この結果は他者と共有する必要はありませんが、共有する必要がない分、自分に嘘をつくことなく答えることが肝心です。

プライベート(余暇)の過ごし方

まずは社会人としてのプライベート(余暇)の過ごし方を説明します。

ここで考えるべきことはどんな時に、どんな人と、何をして過ごしたいかということです。
どんな時を考えるというのは、余暇を取れる期間(年間休日数)余暇は土日祝に取れるか平日に取るかということです。
余暇を取れる期間(年間休日数)は企業によって異なります。正社員でフルタイムで働くとすると小売業界や宿泊・飲食業界は平均して105日程度であり、メーカーや金融、公務員は平均して125日程度となります。つまり、1年間で20日程度休日数で差が出ることになります。20日というと1か月の労働日がだいたい20日なので小売業界や宿泊・飲食業界(サービス業)はメーカーや公務員と比べて1か月間多く働かなければならないということになります。それでも自分はその業界で働きたいかはよく考えてください。
また、農漁業は農漁業だけを営む場合(例えば牧場で畜産のみを行う場合など)は労働時間、休憩、休日に関する規定は適応されません(労働基準法第41条第41号)。そのため、フルタイムで働いても年間休日が52日(週1休み)ということもあります。農漁業への就職を考えている人は、労働条件が企業、事務所ごとで本当に異なるため注意してください。

ここまでは年間休日数について考えました。次に余暇を土日祝に取れるか平日に取るかということについて考えます。基本的にメーカーや金融、公務員は余暇を土日祝に取れる可能性が高く、小売業界や宿泊・飲食業界(サービス業)は余暇が平日になる可能性が高いです。また、小売業界や宿泊・飲食業界はお盆やお正月が営業日となっていることが多いため、こういった期間は休みが取れないことも多いです。そのため、主にサービス業への就職を考えている方はこのあたりのこともよく考えた上で就職をするようにして下さい。

ちなみに僕は小売業で働いていますが、余暇にはいまのところ満足しています。確かに年間休日数は少ないのですが、残業が少ないのでそんなに疲れるといったことがありません。メーカーの友人の話を聞くと、メーカーは残業が多いのでトータルすると労働時間ではあまり変わりがないのではないかと思います。ただし、小売業でも残業が多いところはあります。
また、平日休みということに関してもイオンや遊園地などへ行くと空いていてストレスなく楽しむことができます。以前、ゴールデンウィークの時にイオンへいったらフードコートが混みすぎていて食べることができなくてとてもイライラしました。僕はそんなに待つことが苦なタイプではなかったのですが、平日休みだと待たないことが当たり前なので待つことが苦になってしまいました。

 

次にどんな人と余暇を過ごしたいかを考えます。
あなたは誰と休日を過ごしたいでしょうか。家族や地元の友人と休日を過ごしたいのであれば、地元の企業に就職するか離れたところにある企業に就職するか考えなければなりません。また、転勤の多くある企業に入社するかどうかも考えなければなりません。そして、もし転勤のある企業を選ぶのであれば、どれくらいの頻度で地元へ戻れるのかを知らなければなりません。

ここに先ほど考えた土日祝休みが良いかどうかも併せて考えるようにしましょう。

小売業に勤めていて最も退職理由になるのは土日祝が休みにならないことです。特に結婚して子どもが生まれるとこの傾向が顕著になります。子どもが学校に通いだすと必然的に土日祝が休みになるため、子どもと休日を一緒に過ごしたいと考えて転職される方が多くいます。そのため、ずっと小売業などのサービス業で働いていきたいと考えている方はそういう部分まで考えて就職されると良いでしょう。

 

最後に何をして余暇を過ごしたいかを考えます。
あなたには趣味がありますか?もし、それが土地に縛られた趣味であるならば、企業の立地や転勤のあるなしを考えなければなりません。

例えば、秋葉原で活動しているアイドルのライブに行くことを趣味としているならば秋葉原へ通うことができるところに住む必要があり、さらにそこから通勤できる企業へ就職する必要があります。また転勤があるかどうかも重要です。せっかく秋葉原へと通える企業に就職しても転勤させられてしまったら元も子もありません。

趣味をもっていて、その趣味が土地に縛られている場合は就職先を深く考えるようにして下さい。個人的には趣味は生きていく上でとても大切なものだと考えています。仕事で嫌なことがあったり、苦しいことがあったりするときに助けてくれるものは趣味であることが多いです。

また、趣味について考えることは次に考える再生産費を考えることにもつながってきます。

再生産費(最低限の生活費)

最後に自分の再生産費(最低限の生活費)について考えます。再生産費とは労働する個人をその正常な生活状態にある労働する個人として維持するために必要な金額のことを指します。つまり、生活費のことです。ただし、企業の最適化行動としてはこの費用の最低限の金額を給料として支払うことが最適となるため、ここでは最低限の生活費について考えます。最低限の生活費について考えることでそこから必要となる年収を考えることができます。

生活費は以下の7つの視点で考えると良いでしょう。

  1. 食費
  2. 通信費
  3. 家賃
  4. 光熱費
  5. その他(趣味、交際費、自動車関連費など)
  6. 貯金
  7. 保険料(社会保険料、民間保険料)

まず、絶対に必要となってくるのは1.食費、2.通信費でしょう。食費に関しては現在の1日分の食費を割り出し、社会人になったら生活水準をそれくらい向上させたいかイメージしてその増加分をかけて30日分で算出すると良いでしょう。通信費については現在使用しているキャリアの通信費を調べればよいです。

3.家賃に関しては会社によっては寮や社宅を用意しているところがあったり実家から通勤したりする場合があるでしょうから、各々の状況想定に応じて設定してください。借りて住む場合は住宅検索サイトから住みたい地区の家賃をざっと調べると良いでしょう。4.光熱費も家賃と同様に考えます。

5.その他(趣味、交際費、自動車関連費)も考慮に入れるようにして下さい。1か月間で趣味にはどれくらい費やすのか、友達や恋人と遊ぶためにどれくらいかかるのか。それに馬鹿にならないのが、自動車関連費です。車検、保険料、自動車重量税とたくさんの費用が掛かってきます。

6.貯金は将来結婚するときの費用や大きな出費が想定される場合を考えて設定しましょう。ただ、社会人前半は貯金をすることもままならないということもよくあるので、1~4ほどは深く考えなくても良いかと思います。

7.保険料に関しては、民間の保険(生命保険など)に入るかどうかを考えて設定します。社会保険料に関しては給与額面のおよそ15%なので、1~7の民間保険料までを合計したものに、1.15を掛けます。

以上のようにして再生産費を導出します。そしてこれが求める初任給額面となります。

ただし、6.貯金に関しては、ここを真面目に考えすぎると求める初任給額面が大きくなりすぎるので、30代や40代、50代の時に得ていたい給与額面として組み込むと現実的な数値になります。

他の人たちがどれくらいの生活費で生活しているのか気になる人は総務省統計局が公表している「家計調査」から知ることができます。

www.stat.go.jp

 

ただし、住居費などは実家住みで家賃を全く払っていない人や住宅ローンを払い終えた人なども含めた平均費用となっているため、実態よりも低くなっているといったことに注意して自らの支出と比較するようにして下さい。

 

以上が自己分析のやり方です。大変かとは思いますが、自己分析は己を知る上でとても重要な作業です。そのため頑張って取り組んでください。

 

次回は企業分析について話します。

 

ではまた。

 

 

 

就活の技術#2 ー就活の本質とその対策ー

前回は、就活の心構えに関する記事を書きました。

今回はいよいよ就活とは何か、またどのように対策していくかについて書いていきます。

 

目次

 

「就活」とは何か

結論から言うと「就活」とは自らの労働力商品を企業へ売り込む契約交渉だということです。

このことを理解するために前提として2つのことを理解する必要があります。

1つ目は労働力商品とは何かということです。
労働力商品とは単純にいえば能力です。僕たち賃金労働者は企業に自分の能力を時間単位で売ることによって賃金を得ています。例えば教師は教えるという能力によって賃金を得ています。また、人事はヒトを管理するという能力によって賃金を得ています。

2つ目は賃金労働者のお客様(顧客)は常に企業だということです。
僕は小売業に勤めているので最終消費者のお客様(ご来店されるお客様)と接する機会が多々あります。しかし、そこで接する最終消費者のお客様は厳密には僕のお客様ではありません。それは企業のお客様です。僕は最終消費者のお客様から直接賃金を得ているわけではありません。

では、誰が直接僕に賃金を支払っているのでしょうか。それは企業です。
お客様が代金として支払ったものが企業に入り、そこから企業が給料として僕に賃金を支払っているのです。そのため、賃金を与えてくれる方をお客様と考えた場合、僕の真のお客様は企業ということになります。

ちなみに、こうしたことを話すと「では、来店されるお客様はあなたのお客様ではないのでお客様として対応していないのか。」と聞かれることがあります。

もちろん最終消費者のお客様が僕の真のお客様ではないため、ないがしろにして良いということはありません。企業のお客様は最終消費者のお客様であり、企業はそのお客様の効用(満足度)を最大限に高めることを僕たちに要求しています。そのため僕がお客様(企業)のことを最大限に尊重するとき、それは同時に最終消費者のお客様も最大限に尊重することになります。

 

話を元に戻しますが、就活において就活生は自らの能力を労働力商品として生成し、それを顧客である企業に交渉して売り込むことになります。

 

就活を労働力商品の契約交渉と捉えるメリット

就活を労働力商品の契約交渉と捉えることで得られるメリットがあります。

  1. 就活で病むことが少なくなる。
  2. 契約交渉は対策が可能。

就活をしているとメンタルを病むことが多くあります。

好感触だった企業からお祈りメールを受け取ると何か自分の人生そのものが否定されたような気分になったり、社会から必要とされていないのではないかと思ったりすることがあります。少なくとも就活を始めたばかりの僕はそう感じていました。

 

でも次のように考えることでそれらの悩みから解放されることになりました。

 

あなたの目の前にはペットボトルに入った500mLの水が置かれています。これをあなたは売り込む必要があります。あなたは駅へ行ってサラリーマンに500mLの水を200円で販売しようとしました。15人に「水を買いませんか」と声を掛けましたが誰一人買ってくれませんでした。

 

この場合、あなたの人生が否定されたような気持になるでしょうか。また社会から必要とされていないと感じることがあるでしょうか。

おそらくそんな気持ちにはならないのではないでしょうか。

水が売れなかったのはあなたの人生に価値がないわけでも、あなたが社会から必要とされていないからではありません。売り方が悪いのです。

売れない原因を考えてみましょう。

原因として考えられることとしては、

  1. 販売場所とターゲットが間違っている
    水を売りたいのであれば水を求めている人のいる場所へ行くべきです。ランニングをしている人が多く集まる公園や外で農作業など体を動かしている人を探して販売すれば売れる可能性は高まります。
  2. 商品に対する効用(満足度)が低い
    500mLの水が200円というのは他の市販の水と比べても高価です。この場合は価格を市販の水と同程度まで下げるか、塩分を追加して経口補水液として付加価値を高めることで売れる可能性が高くなります。また、販売商品を変更してコーヒーや新聞を売ることも考えられますが、今回は水しか売るものがないという前提条件を固定します。
  3. 販売力、交渉力が弱い
    200円の水を「水を買いませんか」と15人に声を掛けたところで売れる可能性はかなり低いでしょう。まず、声を掛ける人数を増やす必要があります。この場合であれば最低でも100人には声を掛けたいところです。また「水を買いませんか」のみの声掛けでは売れる可能性は低いままでしょう。水の製品特徴を伝え、水を買うことのメリットを伝えるべきです。例えば取水地が鳥取の大山ならば大山の良さを伝えた後で、売り上げの一部が大山の環境保全のために利用されると伝えれば売れる可能性は高まるでしょう。また経口補水液なら脱水症状にある人を探して熱中症の予防率を示して直接的なメリットを示すことでさらに売れる可能性が高まるでしょう。

このように考えれば次の販売に向けて対策を講じることができます。

労働力商品も同じことです。そもそも労働力商品は多様なあなたの中のほんの一部分の能力をさらに細かく切りとって生成するものにすぎません。ですから労働力商品が売れないからと言ってあなたの全部が否定されることは決してありません

労働力商品が売れない原因も水の例と同じように、

  1. 志望する業界、企業、職種が間違っている。
  2. 求められている価値を提供できる見込みがない。
  3. 自らの能力を適切に説明することができていない。

のいずれかに分類できます。

ただし、原因の2つ目の求められている価値を提供できる見込みがないという点については、労働力商品の特徴として使ってみるまでどれほどの使用価値があるか分からないという特性があるため大きな原因となることはありません。また日本企業はポテンシャル採用を行っている企業が大半ですので、この傾向はさらに高くなります。そのため、日本企業で不採用になる原因のほとんどが志望する業界、企業、職種が間違っているか自らの能力を適切に説明できていないかのいずれかとなります。

 

どのように対策するか

就活が労働力商品の契約交渉であるならば、対策することが可能です。

交渉の基本は「彼を知り己を知れば百戦して殆(あや)うからず」です。

就活における己を知ることとは、自己分析であり、彼を知ることとは業界分析、企業分析といったことや相手の立場に立って物事を考えることを指します。

ちなみに行う順番としては自己分析⇒職種分析⇒業界分析⇒企業分析をおススメします。

 

次回は、自己分析のやり方を説明します。

 

ではまた。

 

 

 

就活の技術#1 ー就活の心構えー

「就活」

この言葉を見たくない、聞きたくないという方もいるのではないでしょうか。
大学3年生のころの僕がまさにそうでした。
大学3年生の夏ごろに就活を考え始めたもののインターンへ参加したのは3年生の11月からでした。今から考えると就活の開始時期としてはそんなに遅くなかったのかなとも思いますが、当時は周りの就活の活発さに圧倒されて常に焦りと劣等感を抱いていました。
もし、現在僕が就活生だとしたら就活の早期化に伴ってより焦っていただろうなと思います。


そんな僕ですが無事内定を獲得し、社会人3年目を迎えました。
現在は第一志望としていた企業に就職して毎日楽しく過ごしています。
こんな社会人生活が送れているのは就活についてアドバイスをくれた先輩や、一緒に切磋琢磨した仲間から学んだことを体系化できたからだと思います。

 

社会人3年目の僕が「就活」について書こうと思ったのは、志望業界の異なる24卒の後輩2人に僕の就活法を伝授して無事2人とも第一志望の企業から内定を得られたことから

  1. 僕のやり方に再現性があると分かったため。
  2. 志望業界が全く異なっていても内定を獲得することができ、汎用性があると考えられたため。
  3. 社会人になって採用する側も経験したことで視野が広くなったため。

 

この記事は大学3年生を中心とする就活生を対象としていますが、それ以外の方が読んでもためになるような内容にしたいと考えています。

 

また僕の方法は一部極論じみているところがあり、どこまで参考になさるかは自己責任でお願い致します。

 

目次

 

自己紹介

中堅私大文系を卒業後、大手小売企業に入社。
後輩はそれぞれ大手食品メーカー、大手事務用品メーカーに内定。

 

就活を始める前に

まず、就活を始める前に一つ確認しておきたいことがあります。

 

「あなたは本当に働きたいと思っていますか?」

 

ここでの働くとは企業に入社して働くということです。
この質問に対して心の底から「働きたくない!!」と思った方は、この記事を読むことをやめて企業に入社して労働すること以外で生計を立てる方法を模索してください。
(例えば投資とか起業とか親に余裕があるならニートするとか)

企業に入社して働く気のない人が就活を行っても内定を得ることは難しいでしょう。また入社した後もミスマッチから職を転々とすることになるなど不幸な目に合う可能性が高くなります。第一に行う必要のないことにエネルギーを注ぎ込むことは時間の無駄です。企業に入って働く気がないなら就活を行う必要はありません。

現代社会は多様な生き方が認められています。YouTuberやプロゲーマーも今や社会に認められた立派な生き方です。

そんな時代だからこそ、周りが就活しているから就活をするということはやめてください。

 

とはいっても、大半の人は働きたくないけど独立してやっていく自信もないし、人と違った道へ進む勇気もないのが現状ではないでしょうか。かくいう僕もそうでした。

そうであるならば、なるべく自分がやりたいことや楽しいことや得意なことを仕事としたいですよね。

 

就活は内定を得ることが目的ではない

ここで押さえておきたいポイントは、就活の目的は自分がやりたいことや楽しいことや得意なことができる業界、企業、職種を見つけることであり、決して内定を得ることではないということです。

僕が大学3年生の時、大学4年生の先輩で11月にも関わらずNNTの先輩がいました。先輩は学業成績優秀でコミュニケーション能力も高かったのでNNTであることが意外でした。その先輩の口癖は「内定が欲しい」。会うたびに「内定が欲しい、内定が欲しい」と呟いていました。大学で5時間くらい就活の厳しさ、内定を取ることの難しさを伝授してもらったこともありました。
そんな先輩も12月には中小のメーカーから内定をもらい就活を終えることになりました。内定を得た翌日から旅行へ行くという先輩と会って僕が「おめでとうございます」と伝えると先輩は「ありがとう。でも働きたくねー。」と答えました。

僕は当惑しました。矛盾していると思いました。働くために内定をとる。そのために就活を行うというのが筋のはずです。それなのにあれだけ「内定が欲しい、内定が欲しい」と言っていた先輩が、いざ内定が出ると「働きたくない」。気持ちは分からなくもないですが、なんかダサいなと思ってしまいました。

その時僕はなぜ先輩がNNTだったのか何となく分かったような気がしました。おそらく面接の節々で働きたくないオーラが出てしまっていたのでしょう。今なら採用する側も経験しているので断言できますが、働きたくないオーラというのは伝わってきます。
発言の端々に「別に、、、いいです」とか「なんでも、、、いいです」といったニュアンスの言葉が多くなる傾向にありますし、態度でもそれが伝わってきます。言っている言葉は分かるし、意味も分かるけど納得できない腑に落ちないということが多発します。

 

この経験から僕は自分が就活をするときは、内定を獲得したら明日からでも働きたいと思える業界や企業、職種を見つけようと決めました。

 

以上が就活を始める前に身に着けておきたい心構えとなります。

 

次回は「就活」とは何かに関する考え方と、「就活」対策の導入について書きます。

 

ではまた。